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日本国憲法における人権 (「信教の自由」 編)

  • 行政書士 森 政敏
  • 2016年3月19日
  • 読了時間: 4分

狭山市での相続,遺言,法務の森法務行政書士事務所

 さて、作業がひと段落しました。なんて、突然言われても困るよという突っ込みが入りそうですが、この森法務行政書士事務所の公式HP の細かな微調整の作業をしておりました。

 最近、このホームページ上部のヘッダー部分にあるミュージックプレイヤーの再生できる楽曲も変えました。また、サイトマップを更新したり、ブラウザによって微妙に異なる表示の部分を調整しました。

 それから、「お役立ち資料室」の資料に、「自民党 日本国憲法草案」のPDFファイルと「Q & A」のPDFファイルをダウンロードできるようにしました。別に自民党に肩入れをしているわけでなく、他の政党が草案を出していない中、改憲をするのであれば、どのような憲法が良いのかを考える上での、まに「資料」とするためにリンクを張りました。

 また、にほんブログ村のキーワードの説明のためのHTMLを埋め込みました。私の、この特集記事の記事から、少しでも役に立つ情報を皆様が得られますように願っております。

 上記の文章は表題に入るための前置きでした。早速、「日本国憲法における人権 (「信教の自由」 編)」を書いていきます。

 まずは、例のごとく、条文を参照することから始めましょう。法学は、一に条文、二に条文です。常に「生」の条文に触れることが法学力の向上に役立つことは法を学び、それを仕事としている方々にとっては当然のこととご理解いただけると思います。

 以下日本国憲法第20条を引用します。

 憲法第20条

  ①信教の自由は、何人に対してもこれを保障する。いかなる宗教団体も、国から特権を受け、又は政治上の権力を行使してはならない。

  ②何人も、宗教上の行為、祝典、儀式又は行事に参加することを強制されない。

  ③国及びその機関は、宗教教育その他いかなる宗教的活動もしてはならない。

 以上引用でした。

 この条文を見て、まず第一項で、「国はいかなる宗教団体」対しても、利益も不利益も与えないことが規定されていますね。

 また、第三項では、所謂「政教分離の原則」の拠り所となる条文ぶりになっています。

 「信教の自由」の内容は、(ア)信仰の自由(イ)宗教的結社の自由(ウ)宗教的行為の自由 の3つが内容となります。

 そして、(ア)信仰の自由に関していえば、その信仰が内心に留まるものであるので、絶対的に保障される権利です。また、「国から信仰をやめるように強制されたり、どのような信仰をしているのかを言わされることもない」という沈黙の自由も含まれます。

 (ア)信仰の自由に関しては、完全に憲法によって守られるもので、絶対的権利ですが、(イ)宗教的結社の自由と(ウ)宗教的行為の自由に関しては、少し毛並みが異なります。

 その理由は簡単で、「内心に留まる」ものでは「ない」からです。表面に出てくる以上、他の人権と人権との衝突場面が想定されるからです。

 そこで、これは、公共の福祉による制限を受けることになります。つまり、「信教の自由」の一部は完全に憲法に守られるものではなく、場合によっては、何らかの制約が課されるというものなのです。

 大変有名な判例としては、「宗教法人オウム真理教解散事件」ですね。この裁判では、当該宗教法人の解散命令が憲法第20条1項に反し、意見なのではないかが争点となりましたが、結論は、合憲であるというものでした。

 その理由は、ポイントを絞ってご説明いたしますと、「①解散命令の目的はもっばら世俗的で、②その趣旨も特定の宗教法人を弱体化させるものではなく、③解散命令は、間接的な事実上のもので、④仮に、弱体化を招いても、違法で、著しく公共の福祉を害するものを制限するためには、必要でやむを得ない」というものです。

 実はこの判例は、宗教法人Xとして、過去に行政書士試験で出題されています。

 確か、「世俗的目的」「趣旨も弱体化を狙ったものでない」「間接的で事実上のもの」「公共の福祉を著しく害するものを制限するために必要でやむを得ない」とかのキーワードを入れる問題だったと思います。

 行政書士試験を受けている方は当然ご存知かと思いますが、もし、ご存じなかったら、判例をチェックですよ。

 そして、「信教の自由」を語るうえで、考えなくてはならないのが、「政教分離の原則」ですが、これに関しては、ボリュームがあるので、またの機会に単独論点でやりたいと思います。

 最後まで読んでくださってありがとうございます。

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