「見せ金」と「預合い」
- 行政書士 森 政敏
- 2016年1月24日
- 読了時間: 2分
みなさんこんにちは。
なんとなく六法をめくっていると、懐かしい条文を見つけました。
会社法965条です。
「965条」って、途方もない数字ですね。
しかも、会社法は民法のように会社を経営したりしている人や一部の専門職でないと一般的ではありませんね。
会社法965条の条文を素読しましょう。
会社法の場合には条文を「そのまま」暗記する必要ありませんが、条文そのものに触れるのは法の制定史やその立法者の意図から見えてくる法解釈、今後の法改正の在り方などなど、色んなものが見えてきますので、楽しいものです。
一度はどの「法」でも構いませんので、条文そのものに触れてみてはいかがですか。
会社法965条(預合いの罪)
第960条第一項第一号から第七号までに掲げる者が、株式の発行に係る払い込みを仮装するため預合いを行ったときは、五年以下の懲役若しくは五百万円以下の罰金に処し、又はこれを併科する。預合いに応じた者も、同様とする。
以上。
会社法が施行される以前は、最低資本金額が決まっていたので、結構資本金を都合するために、見せ金や預合いが頻繁に行われていたようですが、最低資本金額の規定が廃止されてからは会社設立のためにこれらの行為を行うことは少なくなりましたね。
与信を受けるために見せ金を行うことはあるようですけどね。
ちなみに、見せ金はと預合いはしっかりと区別しなくてはならない概念ですね。
見せ金は、払込取扱機関とは別の機関から金銭を借りて、払込取扱機関に対して、自己の金であるかのようにして、資本金として預け入れて、その後すぐにこの金を引き出してしまう行為です。
当該出資者の資本金の担保責任に注意が必要です。
なお、最高裁は、この見せ金にあたるか否かは、その預け入れの聞かんから引き出しの期間の長短などの要件を考慮したうえで判断し、当該出資に係る会社設立は無効であるという判決も出してますね。
そう、預合いです。
預合いは、払込取扱機関が出資者と通謀している点が預合いと異なる点であり、会社法による罰則が科される可能性があります。
やはり悪質ですからね。
当然見せ金の場合でも、会社法以外の法が課(科)される可能性もありますのでご注意を。
私が学生の時は、いまいちイメージがわきませんでしたが、今になってすんなり理解できるようになりましたね。
自分がこう言ったものの当事者になると理解しやすいものですね。
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