公信の原則と民法192条の即時取得
- 行政書士 森 政敏
- 2016年4月27日
- 読了時間: 2分
あっさりしすぎず、だからと言ってコッテリもしすぎないように心掛けながら記事を書くように日ごろ意識しておりますが、今日もそれを心掛け記事を書きたいと思います。
みなさんは、日ごろ、移動の手段としてはどのような手段をご利用でしょうか。
自動車という方もいらっしゃれば、電車、自転車、はたまた徒歩という方もいらっしゃり、その方法は様々かと思います。
しかし、その様々な方法のどれをとっても、「信号」に従って運用されている点に違いはありません。
自動車は当然、徒歩も自転車も、意外かと思いますが、電車の運転手も信号に従っています。
この「信号」に従っていれば、その信号を守って運行していた側のほうが、事故を起こした際に責任は軽減されます。
これに似た制度が、「公信の原則」です。公示されている状態を信じて取引に入ってきた者を保護しようとするものです。
この現れが、民法では、第192条で、「即時取得」の規定をおいています。注意していただきたいのが、「公示の原則」とは区別すべきであるということです。念のため付記します。
さて、民法の「即時取得」ですが、これは、「①取引により、②善意・無過失で、③平穏・公然と、④動産の占有を、開始したものは、その動産を行使する権利を得る」といったものです。
たとえ、相手方がその動産について、正当な権利者でなくても、その公示を信じて取引をした者を保護しようとする制度です。
この条文のポイントとしては、取引行為であるか否かである点が、国家資格の試験などでよく問われます。
例えば、「体育館で選挙が開かれた際、投票所の入り口に傘が置かれていたのを、他人のものと自分のものとで取り間違えた際に誤って他人物を持ち帰った際にもその所有権を取得する。」などとの正誤を問う問題が出されたりします。上記の問題の答えは、これは、誤りの選択肢となります。
その理由は、有効な取引によって持ち帰ったわけではないからです。このように、国家資格の試験でも「有効な取引の存否」に関して問う問題が出されるわけです。
即時取得したものについては、その権利を取得でき、その取引通りの権原を得られます。
民法第192条の即時取得と「公示の原則」及び「公信の原則」は、各種の試験でよく問われますので、注意を払う必要があります。
最新記事
すべて表示さて、最近の私のブログの記事には画像が少ないと思いませんか?これまでは、必ずと言っていいほど一記事につき一つの著作権フリーの画像が使われてきました。 私事ですが、森法務行政書士事務所は、オンラインでの広告よりも、地域の紙媒体の広告に切り替えました。なので、ホームページは無料...