職業の垣根と業際問題
- 行政書士 森 政敏
- 2016年2月10日
- 読了時間: 2分
みなさんは、どのようにお仕事をなさっているでしょうか。
会社に勤め、働いているサラリーマンやOLの方、建設業などのお仕事を請け負っている方、はたまた自営業を営んでいる方、さまざまな働き方やそのお仕事独自のルールがあったりするのではないでしょうか。
私は行政書士としてお仕事をさせて頂いておりますが、行政書士は、「士業(さむらいぎょう)」と呼ばれるお仕事の一つです。
行政書士の資格は国家資格で、独占業務を持つ職の一つです。行政書士になるためには、国家試験を受けるほか、いくつかの方法があります。
例えば、公務員として、高校卒業後公務員となった人は18年間、大学卒業後公務員になった方は20年間勤続している場合には、行政書士の国家試験が免除され、登録をすれば、行政書士を名乗ることができます。
その他、弁護士資格や税理士資格を持っている方も、行政書士会に登録をすれば、行政書士と名乗ることが許されます。
さて、表題の「職業の垣根と業際問題」についてですが、「業際問題」を皆さんはご存知でしょうか。
「業際」、つまり、業務のきわときわの問題です。
時折ニュースなどで聞きますが、行政書士が弁護士業務を行ったために刑事事件となったなどはこの「業際問題」にあたります。
少し掘り下げますと、この事件となる理由は、弁護士法第72条にあります。弁護士法第72条では、弁護士の行う業務の内容が記されており、弁護士以外の者がここで定める弁護士業務を行った場合には刑事罰に処されるのです。
ただ、この弁護士法第72条の規定では、所謂「法律相談」を弁護士以外が代理で受けてはなりませんよと定めていますが、この規定は度々問題となります。
「法律相談」の意味が、どこからどこまでが、そうなのかが問題となります。例えば、もし「夫婦喧嘩をして、感情的になって、離婚したくなってしまった」というのをすぐに法律問題とするのであれば、夫婦げんかの度に弁護士にしか相談できないことになります。
この点、実務的には、「業際」に関しては、「紛争性がある問題」については、弁護士の独占業務とされています。ちなみに、「紛争性」とは「裁判になるくらい」に問題が悪化した状態だというのが一般的な考え方です。
このようにして、私たち士業の人々は、行政書士、弁護士、司法書士、社会保険労務士、弁理士、税理士がそれぞれ、倫理観を強く持ち、法律を遵守して日々業務を行っているのです。
今回の記事は業界のちょっとした話題についてでした。
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