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憲法と国家権力

  • keep-legal
  • 2016年2月10日
  • 読了時間: 3分

 憲法は、私たちの生活とは無縁である、あるいは、意識をしたことがないという方がほとんどであると思いますが、実は、憲法は私たちの生活と大変密接な関係があります。

 そもそも、憲法とはどのようなものなのでしょうか。どのような性質を持ったものなのでしょうか。

 憲法を説明する上でよく言われるのが、憲法とは最高規範であり、国家を縛る法であるということです。

 ところで、「法」と「法律」とでは、屹立として区別する必要があります。

「法」は、「法律」よりも広義のもので、「法」には、法律の他、政府が出す政令、各省が出す省令、地方自治体がだす条例等、さまざまな決まりを含むものです。

 法にはピラミッド型の体系を取っており、その優劣については、諸説あり、学説の対立があります。

 しかし、通説としては、一元的な法体系で、憲法を最上位として、条約、政令、省令と徐々に下位の規範に向かっていくという説が納得しやすいものです。

 中には、条約と憲法とが並列し、二元的なヒエラルキーを構成すると考える説もありますが、このように考えると、憲法改正の手続きよりも簡単な手続きで基本的な法規範を構成することができるようになってしまうので不都合が生じます。よって、この説は憲法の規定とは矛盾することとなり、学説として説得力の低いものとなります。

 さて、話を元に戻して、憲法と国家との関係について書いていきたいと思います。

 私たちは法律に従って、日々生活をしており、法律によって行動が縛られることになります。つまり、国民を拘束するのが法律であると言えます。

 それに対して、憲法は原則として国民を拘束するものではなく、国家を縛るものです。国家は、憲法に反して行動することができません。

 国又は地方自治体、公務員は憲法を遵守する義務を負うことになります。国又は地方自治体が憲法によって拘束されることは納得のいくものですが、公務員をも拘束することに関してはみなさんはどのように感じるでしょうか。

 公務員も国民であり、その私人としての性質と公人としての性質を併せ持つことになり、その区別が問題になることもあります。

 公務員は政治活動をすることが原則的に禁止されており、選挙において、いわゆるビラを配る行為など、特定の政党を支援することが禁じられております。

 このように、憲法は国家の最高規範であるとともに、国をしばり、国民の権利を守ってくれる法なのです。

 国民は、自らの地位を国家によってゆだね、安全を守ってもらっていますが、ときに、権利が侵害されることがあります。

 そのような、国民の人権が侵害されないようにするために憲法があるのです。

 このように、私たちが、日常の生活を送る、つまり、自由に職業を選択したり、好きな思想を持ったり、自由に自己表現を送ったりできるのは、憲法のおかげであるのです。

 だから、憲法は、私たちの生活と密接な関係を持っているといえるのです。

今回は、憲法について少し触れましたが、憲法は非常に抽象的であるので、理解するのが難しい法の一つで、憲法を理解するためには多くの時間を費やすわけです。

 これからも、憲法について記事を書くことがありますが、できる限り、具体的にわかりやすく記事を書かせて頂きますので、ご高覧下されば幸いです。


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